今日もいつものように仕事を終え、
ナナリーの早く待つ家に帰ろうと、家路に急ぐルルーシュ先生。
すると校門の所に、男子の制服を着た男の子が立っていました。
時刻はもう8時。部活動の生徒さえもう帰宅している時間です。
あたりはもう真っ暗です。
ルルーシュ先生は目を細めながら彼に近づきました。
すると彼は、先生に気付いたのか、こちらに向かって走り寄ってきました。
彼に近づくにつれて、真っ暗で全く確認できなかった彼の顔が、
しっかり見えるようになってきました。
栗毛で癖のある特徴のある髪型…
ルルーシュ先生は大きく溜息をつきました。
「…また待っていたのか、柩木。」
「お疲れ様です、ルルーシュ先生。」
彼はにこやかな笑顔で言った。
「もうこんな時間だぞ、毎日毎日…家の方が心配するだろう?」
「僕に家族はいませんから」
…いけないことを言ってしまった。
ルルーシュ先生はとっさにそう思った。
「…それより先生、早く帰りましょう?」
そう言うと彼は、ルルーシュ先生の手をとって歩き始めました。
「お、おい柩木!バカ放せ!」
ルルーシュ先生は必死に抵抗しました。
でも彼の力は予想以上に強くて、振り払う事が出来ません。
「先生、柩木じゃなくて”スザク”で良いって言っているでしょ?」
「…お前だけ特別扱いは出来ないだろう、良いから放せ!」
彼はルルーシュ先生の手を握る力を強めました。
「…ッ!く…柩木ッ!」
ルルーシュ先生は綺麗な顔を歪めました。
「先生、先生は誰にでも良い顔しすぎですよ」
低く、落ち着いた声で彼は言った。
「先生が他の生徒に笑顔を向けるたびに、他の生徒と会話するたびに僕は…」
「…な、何言って…」
すると彼はルルーシュ先生を自らの胸に強引に引き寄せました。
ルルーシュ先生の細い体は、すっぽりと彼の腕の中に納まってしまいました。
「…く…るる…ぎ?」
ルルーシュ先生はイキナリの事に全く事情が理解出来ていません。
「先生、1回で良いからスザクって呼んで…」
彼は先生の耳元で小さくそう呟きました。
ルルーシュ先生はその吐息で意識が遠くなりそうでした。
「…ルルーシュ…呼んで…」
「…ス…ザク…」
「…やっと呼んでくれた。」
彼は嬉しそうに呟きました。